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ガウディの世界 3 (聖家族教会)

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(九日目の行程) バルセロナ (カサ・バトリョ → グエル公園 → 聖家族教会 → ピカソ美術館)

Spain005 聖家族教会、スペイン語で”サグラダ・ファミリア”といったほうが私たちにはわかるかも。

ガウディが没してから約90年経った今でも完成していない、巨大な遺作である。

私たちの記憶では「完成までに100年は掛かる」といわれていた。 ところが、現在では「後20年ほどで完成するだろう」という風に変わってきている。

一つに、建築技術の飛躍的な向上。 もう一つに、莫大な寄付金が寄せられるようになったこと。 数十年前は金持ちしか観光旅行が出来ない時代で、テレビの普及もしていない。 それがいまや航空運賃がリーズナブルになって多くの観光客が訪れるようになった。 そしてテレビの普及とともに、この教会はいろんな国で未完の大作と紹介され、世界中からたくさんの人が訪れる。 

スペインの観光資源といっても、”教会”である以上、建築費は寄付金からまかなわなければならないのだ。 そして余談だが、なんとバルセロナは世界一観光客が訪れる都市であるらしい。

そんなわけで、アラフォーの私でも完成のサグラダファミリアを拝める可能性が出てきたわけだ。

Spain060 さて、右の写真は「日本人がサグラダ・ファミリア”の完成に携わっている」ことで有名な”主任彫刻家、外尾悦郎さん”の作品である。

サグラダ・ファミリアには三つの門がある。”(キリスト)生誕の門”、”受難の門”、”栄光の門”。 当のガウディは、生誕の門の完成しか見られずに亡くなった。 

聖書で有名な『三人の賢者』(左下の部分)や、生誕の祝福をする聖人達などの彫刻は、地の部分と比べて色が白いことが写真でもわかるだろうか? 地はガウディの時代に、彫刻は現代に作られたからである。

Spain063 左の写真は、受難の門。 スペインの現代彫刻家 ジュゼップ・マリア・スビラクスの作品。(彼は後日のブログにも登場することになるが、一風変わった前衛的な彫刻を施す)

『ユダの裏切り』から『キリストの磔形』までの聖書の話がいくつも描かれている。(この写真には『磔形』しか写っていないけども)

面白いのは、この中に”ガウディがいる”こと(写真下段のよろいをかぶった人たちの左に、右を向いて建っている人)。 スラビクスのガウディに対する畏敬の念なのであろう。

ここでふと、疑問が湧いてきた。「ガウディが設計したのだから、ガウディがそうやって自分を彫刻で残すように指示したのでは?」とか「生誕の門と受難の門では、彫刻の趣が大分違うのはどうして?」など。

ガイドさんに確認したところによると、教会全体の造りや彫刻のモチーフ、つまり「生誕の門にはキリストの生誕を描き、受難の門にはキリストの受難を描く」ということなどは決めたものの、彫刻の細かい指示までは出していなかったそうである。 Spain064

ちなみに、世界中からサグラダ・ファミリアの完成に携わりたいと集まってくるそうだが、かなりの競争倍率で、お断りをしているそうな。 そう考えると外尾さんはやはりすごいのだ。

さて、教会の地下は博物館となっている(無料)。 この教会の建設に関わるものや写真が展示されているのだが、右のものはガウディが教会の構想に使用したもの。

以前にも触れたが、ガウディは直線を嫌い”自然な曲線”を使うことを目指した。

糸に、小さな砂袋を下げて、自然な曲線を作り出した・・・すなわち、これを逆さに下のものがサグラダ・ファミリアの形なのである。 なるほど、鐘塔が変な形をしていると思ったが、ここから発想したのかと合点がいく。 ちなみに、鐘塔は完成時点で12本になる予定でこれは12使徒をあらわし、中央にキリストを象徴する塔が建つという。

Spain061  内装も未完成だが、他の教会では絶対に見られないようなデザイン。 (確か)太陽を表しているとか。 岡本太郎を連想する。

ステンドグラスも、色つきガラスが入っているものもあれば、まだのところもある。

もし、本当に20年後の完成時にここを訪れることが出来たとしたら、同じ場所から写真を撮ってみたいものである。『使用前・使用後』みたいな・・・(笑)。Spain062

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コメント

僕が初めてサグラダ・ファミリアを見たのは、80年代の後半です。
誕生の門と受難の門、そして後陣側と側面の外壁しかなく、中はがらんどうでした。
印象としては、少なくても「美しい」とは感じませんでしたが、他に有り得ない途轍もない教会を造ろうとした人物の情熱は確かに感じました。
そして、「完成までは、あと100年かかるか、200年かかるかわからない」と言われていました。

90年代前半から、鉄筋コンクリート工法が取り入れられ、工事は急ピッチで進行。
数年後に行くと、造成された内部の敷地に鉄筋入りの柱が立ち始め、やがて屋根に覆われてビックリしたものです。去年はまさにこの状態で、柱と枝のような装飾、天井デザイン、壁の一部にはステンドグラスがはめ込まれ、いずれ完成する内部の様子が充分に想像できるようになっていて、本当に仰天でした。
ただし、建材としては、切り石よりも劣化が早いコンクリートや石膏を用いていますから、どうなることでしょう・・
170mの高さで構想されたイエスの主塔は、鉄骨構造になることも予想できます。

突貫工事で急ぐあまり、20年後に完成した時に、
「サクラダファミリアは、あと100年もつか、200年もつかわからない」
なんて、ジョークではなくて、マジで言われかねません(笑)

昔は、大聖堂の建設のために、200~300年も費やして、じっくりと建てていたわけですが、現代人は、自分の眼が黒いうちに結果を見たい、という欲求に抗うことはできないようですね。
僕もなんとか長生きして、完成した姿を見てみたいと思います。

投稿: ルイス | 2009年2月11日 (水) 04時00分

ルイスさん、お返事遅くて申し訳ありません!

なるほど、”建築技術の発達”のおかげというのは、建設機械の技術革新だとばかり思っていましたが、「本来は切り石のところを鉄筋コンクリートに」していたんですね!? 知らなかったです。
そう考えると、サグラダ・ファミリアは趣がありませんね・・・・(涙)。
昔の大聖堂は200~300年もかかっていたという事実を忘れていましたが、ヨーロッパ各地で見た歴史的な大聖堂の重厚感は、建築資材や流れた年月からかもしだされたものなのかと、改めて思い知らされました。

ルイスさんのように、あまり出来上がっていない時代から変遷を見ている方でしたら、完成の姿を見たときの感動もひとしおでしょうね。 二十年後、是非、私達が再び訪れたときにガイドをしていただきたいものです(笑)。

投稿: | 2009年2月16日 (月) 15時57分

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