ピンチョスとフラメンコ
マドリッド(3泊) - カルモナのパラドール(1泊) - マルベーヤ(コスタ・デル・ソル)(2泊) - グラナダのパラドール(1泊) - バルセロナ(3泊)
(九日目の行程) バルセロナ (カサ・バトリョ → グエル公園 → 聖家族教会 → ピカソ美術館)
私たちのツアーの粋な計らいとして、マドリッドでのバルめぐり(詳しくは『マヨール広場とバルのタパス』参照)や、今回のバスク・バルがある。 好きなものを私たちが注文できるのである。
バスク・バルでは、ピンチョスが食べられる。 ”パンのお寿司”とでも言ったらいいのだろうか、フランスパン(スペインなのに?)の上にハモン・セラーノ(生ハム)やソーセージ、サーモン、野菜などが乗っているたくさんのピンチョスがカウンターに並び、自分の好きなものを好きなだけ取る。 お勘定は、ピンチョス(爪楊枝)の本数で。 まるで、回らないが、日本の回転寿司のようなシステムだ。
ツアーに参加しているのはご高齢の方々が多かったので、ガイドさんが「おそらく予算を超過することは無いので、たくさん食べてください」とわざわざ言ってくださった。 かつて大食いを自称した私は、14個を間食(もうすぐ古希の母はたった4個)。 デザートまで置いてあるので、欲張りな日本女性にはもってこいのお店である。
なお、ガイドさんにピンチョスの価格を確認することを忘れ、私のガイドブックにも全く載っていなかったので、単価はわからない。
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さて、満腹になって向かった先は、タブラオ。フラメンコのショーを見せる場所だ。
新宿にもフラメンコを見せる店があるらしいが、私は本物を観るのは初めて。
それは、なんというか・・・圧巻だった。
私のテレビでちらっと観て描いていたイメージとは違う、もっと重厚なもの。 日本の単純な拍子(リズム)とは違う、一瞬不ぞろいにも聞こえるが、確固とした独特のリズムをとった手拍子が響き渡る。 続いて迫力のある歌声やギター、力強い足踏みを伴った踊り。 踊り手たちの汗が舞い散る。 この迫力は現物を観た人でなくてはわからないだろう。
昔、ちらっと「フラメンコ習ってみたいな」なんて思ったのが恥ずかしいぐらいの、体から沸き立つ迫力のある踊りだった。 こんなの私には踊れない・・・・。
本当は、アンダルシア地方(スペイン南部)が発祥の地だそうだ。だから本場で見るにはセビリアやグラナダがいいだろう。
ところで、『情熱の国、スペイン』といわれる所以であるところの”情熱”=Passion は、実は誤訳だそうである。 フラメンコを生み出したヒターノたち(英語で言うところのジプシー)のPassion とは、”受難”だそうだ。
辞書を引いてみた(New Collegiate 5th)。 『情熱』などの意味とともに、最後に『キリストの苦難』とある。 そういえば昔、メル・ギブソンの『パッション』 というキリストの受難を描いて問題になった映画があったっけ。
まあ、ちょっと話が逸れたが、どの地域でも迫害し続けられたジプシーたちの受難を表したのがこのフラメンコの始まりだそうだ。 だから体の中からあふれ出すものがある。 ”Passion”とは、普通に育ってしまった私には到達できない感情なのだと思った。
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こういった場所も夜が遅いスペインでは夜10時~とか、12時~とかが当たり前らしく、私たちも10時から観て終了したのは12時ちょっと前だった。
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