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ガウディの世界 2 (グエル公園)

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(九日目の行程) バルセロナ (カサ・バトリョ → グエル公園 → 聖家族教会 → ピカソ美術館)

Spain052 スペインに行ったことはなくても、このカラフルなトカゲだかサンショウウオだかはテレビで観たことあるのでは? (あるガイドブックには”トカゲ”とあり、別のものには”サンショウウオ”とあった)

この”グエル公園”は、ガウディのパトロンであった大富豪グエル氏の一大投資事業のなせる業なのだ。

もともとは「イギリス風の住宅街を造る」ということで、約20棟の住宅が立ち並ぶ高級住宅街になる予定だったそう。

だから入り口には、門番小屋(下の写真:右)と管理事務所(左)がある。 まるでお菓子の家!! 感激することしきり。 Spain050

ちなみに今は、グエル公園のジオラマなどを置いている博物館(無料)と、土産物屋になっている。

話を元にもどすが、この『イギリス風の20棟からなる住宅街』は実際のところ、ガウディがデザインしたグエル氏の家、ガウディがデザインしたモデルハウス、ガウディの弟子がデザインした家・・・の3棟が建っただけで、頓挫した。 

原因の一つは、ガウディ以外の建築デザイナーも募ったが、誰も集まらなかったこと。 そりゃ、そうだろう。 家一つ一つが別のデザイナーによるものだとして、でも公園全体の設計はガウディがやっている。 写真のように、入り口の門番小屋・管理事務所も、中央の広場も天才ガウディがデザインしているのだから、他のデザイナーが萎縮してしまうのも無理はないと思う。

もう一つは、あまりにも建築費が掛かっているので販売額が高く、誰も買い手が付かなかったこと・・・・。 結局ガウディの弟子がデザインした家は、ガウディは全く気に入っていなかったにもかかわらず、責任をとって住んだという。 グエル氏の家もある(注意:バルセロナには別にガウディ作の”グエル邸”も存在している)

さらに、ガウディのパトロンであり、この住宅街の構想者であるグエル氏が亡くなったことも大きい。

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Spain054_2 こうして、また”再利用のお得意な”スペインの特色が生かされる。

現在、ガウディが住んでいた家は博物館になっている。 私たちツアーは時間がなくて見学できなかった。残念。 ガウディのデザインして使用していた家具や調度品が置かれているそうだ。

また、元グエル氏の家は、な、なんと現在小学校として使われているとか! なんとも贅沢な小学生・・・。 

こうして、人が住まない住宅地のまま放っておくのはもったいないので、公園として一般に無料で開放しているのだ。

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Spain045 前回の『ガウディの世界1』でも述べたが、ガウディの魅力は”奇抜なだけで無く”いろいろと考えて緻密に取り入れられていること。 それをこの公園でも目の当たりにする。

左上の写真は広場を元門番小屋から捉えたもの。 上の部分(神殿みたいなたくさんの柱の上)は右の、これまた有名な曲線のベンチが置いてある広場。 このベンチも人間の体にフィットするように計算されたデザインとなっている。 カラフルで楽しいのに、機能的!

その下の部分(柱の建っているところ)は、市場として使われていた。 雨が降っても大丈夫な屋根つき市場で、スペイン産のタイルを使用したり(地産地消)、割れたビンの底を使用したり(エコ)と、100年も前からエコや地産地消を取り入れている。 時代の先読み? 

そして雨が降ったら上の広場からの排水が、なんとあのトカゲの口から出てくるという仕組み!! (左上の写真ではわかりにくいが、階段の上部にあのトカゲが鎮座している)

Spain038 また、公園内にいくつか見られる左の通路も、上は馬車(そんな時代・・・)、下は人が日よけ雨よけしながら歩けるように設計されているのだ。

すべてに『20へぇ』進呈したい。(古すぎ、ごめん)

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コメント

スペインのユネスコ世界遺産としては、グエル公園は1984年に第1号登録された中の一つでもありますね。

当時、この分譲住宅は、なぜ売れなかったのか?
これも見学の際に浮かぶ疑問です。

今でこそ、新市街からグエル公園の周囲一帯まで、家並みがビッシリとひしめき合っていますが、当時は市街地から遠く不便で、うら淋しい場所だったことは想像できます。
販売ターゲットとしては、自家用馬車を持っている富裕層が想定されていたわけですが、保守的かつ伝統的な感覚の中流ブルジョワから上流層にとっては、なかなか受け入れ難かったのは、致し方ないと思われます。
奇抜なデザインの家は、面白く鑑賞はできても、自分で住みたいという人は少数なのは、昔も今も変わりません。おとぎの国ディズニーランドは、たまに行くから楽しいけれど、そこに住みたいとは思わないものです。
また、あまり指摘されてはいませんが、さあ、これからバンバン売るぞ!という時に、折り悪しく第一次世界大戦が勃発して、世間は建築プロジェクトや不動産投資どころではなくなってしまった、ということも、大きな原因の一つでしょう。

ガウディとパトロンのグエル伯爵の壮大なファンタジーの残像・・
逆に、誰も買わなかったからこそ、そのお陰でこうしてソックリ公園として残された、ということも言えるわけで、分譲住宅として土地と建物が一旦、個人所有になってしまえば、それぞれの区画が独自の変化をして、100年近く経った現在は、当初の構想とは全く違った代物になっていたかもしれません。
もちろん、魅惑のガウディ建物群のオンパレード、ガウディ・ファンにとってはヨダレ垂れまくり、一大「ガウディ・テーマパーク」になっていたことも想像できるわけですが・・

実現しなかったものに、いまさらあれこれ言っても仕方がないですね(笑)

投稿: ルイス | 2009年2月 5日 (木) 21時38分

そうですか、イギリス風住宅地の不成功の影には、第一次世界大戦があったのですね・・・・。

確かにグエル公園は中心地からちょっと離れてますね(観光バスで十数分でしたが)。見損ねたガウディの家(博物館)を後日の自由時間に観にいきたかったのですが、遠くて不便だなぁと思いました。ちなみにその時間は、サグラダ・ファミリアとカサ・ミラにつぎこみました。

またなるほど、ガウディ建築の真の価値を理解し、なおかつ何個も家を持てたグエル氏のような人でないと、あのようなデザインの家に住むのは冒険だったかもしれませんね! 
今の時代に売り出せば、世界中にガウディの知名度も上がっているので、物好きがセカンドハウス、サードハウスにしそうですが(笑)。

何はともあれ、ガウディはもちろんですが、グエル氏・バトリョ氏などにはスペインが、特にバルセロナ市は”国民栄誉賞”を与えなければならないでしょう。彼らの”先見の明”というか、”普通”であるいことよりも”奇抜なものに恐れずに挑んだ(ガウディに投資した)”功績で、観光産業の一翼どころか二翼も三翼もになっているのですから。

投稿: | 2009年2月 6日 (金) 10時30分

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