麗しのアルハンブラ宮殿 4 (番外編)
ワシントン・アーヴィングの『アルハンブラ物語』。
アルハンブラ宮殿内の一角に、左の表示が付いた部屋がある。 彼はなんと1829年の春から夏にかけてここで、このアルハンブラ宮殿で、数ヶ月を過ごした。
今、世界遺産に指定されている建物に人が住むこと自体信じられないことだが、彼の生きた1800年代はそれが可能だったのだ。
彼はアメリカ人で外交官としてスペインに赴いている間、休暇を用いてアルハンブラ宮殿を訪れる。 そのときの旅で触れたスペインの文化、アルハンブラ宮殿に住む人々の様子や、彼らから聞いた伝承を図書館で調べた史実を元に、丁寧に纏め上げている。
そうしたことで彼の書いた『アルハンブラ物語』は、アルハンブラ宮殿の価値を世界中に知れ渡らせたのだ。
1832年に初版、1851年に大幅な改訂を加えたものが、平沼孝之氏の翻訳によって岩波文庫から発行されている。 でも、イメージと違ってとても読みやすい!! きっと、平沼氏の翻訳が素晴らしいのだろう。 そして、その注釈がまた素晴らしい。
私は、現地のガイドさんが『この本を学生時代に読んだのですが、あの時はこうしてスペインでガイドをやるなんて思いもしませんでした』といったのを聞いて興味を持ち、スペインから帰国してから読んだ。 そして思った。 アルハンブラ宮殿を訪れる前に読んでおけばよかった!と。
読んでいけば、それぞれの部屋や中庭や装飾が、本の中の生き生きとした物語によって、より感慨深く頭に入ってくることだろう。
もっと魅力に満ちたアルハンブラ宮殿観光が楽しめるだろう。
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