麗しのアルハンブラ宮殿 3
マドリッド(3泊) - カルモナのパラドール(1泊) - マルベーヤ(コスタ・デル・ソル)(2泊) - グラナダのパラドール(1泊) - バルセロナ(3泊)
(七日目の行程) マルベーヤ → ミハス → グラナダ
いよいよアルハンブラ宮殿へ。
入場するには予約が必要で、決められた時間に行かなくてはならないのだそうだ。 遅刻すると入れてもらえない。 もちろん私はツアー参加なので、ガイドさんに導かれるままにアルハンブラ宮殿へ行った訳だが。
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もう500年以上も前に建てられた建物は、その鮮やかであっただろう金箔や色とりどりの色を失っている。 イスラム教徒が追い出されてから廃墟となったり、地震にあったりして崩れ、現在の姿に至るまでたくさんの修復がされているが、最盛期の姿はここから想像するしかない。
左上の写真ではわかりにくいと思うが、拡大してみて欲しい(メスアルの間)。 細かい彫りがたくさん施してある。 青色がちょっとつけられているのは何本かある柱の中でこの一本のみなのだが、ガイドさんに聞くと「ここだけ修復したのでしょう」とのこと。スペインらしい・・・。
さて、この柱や、これから紹介するアラヤネスの中庭やライオンの中庭の回廊の柱もレリーフ(浮き彫り)がとっても素晴らしい!! これらはすべて人の手で彫られている・・・といいたいところだが、実はスタッコ細工といって鋳型に石膏を流し込んで作ったものを貼りあわせているのだそうだ。
それにしても、色とりどりのモザイクタイルはすばらしかった。 右上の写真は、その一例。 黄金の間、アラヤネスの中庭、たいこれらのタイルが施された壁面の上には、アラビア語で詩が刻まれ、スタッコ細工があしらわれ、イスラム時代の面影を色濃く残している。
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アラヤネスの中庭。 アラヤネスとは天人花(てんにんか)のことで、池の両脇にこの花が植えられていることからそう呼ばれるらしいが、実は前は『アルベールカの中庭』と呼ばれていたらしい。 およそ170年前に書かれたアービングの『アルハンブラ物語』には、アルベールカの中庭として登場している。
さて、ここは左の写真のように、コマレスの塔をバックに観るのが最高。 池にコマレスの塔が、天気がよければ青い空までが、池に映ってとても綺麗だそうだ。
ところが!私が『麗しのアルハンブラ宮殿 2 (カルロス5世宮殿)』で、怒りの文章を書いたわけは、その反対側から観る眺めにある。
右の写真でお分かりだろうか? イスラム様式の建物の屋根の上に見える建物・・・・カルロス5世宮殿だ。 しかも、写真ではとてもわかりにくいだろうが、美的感覚も何もなく無残にべったりくっついて建てられているのだ。 まるで権力を誇示するかのように・・・・。
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な、なんとライオンの噴水は残念なことに修復中!! 2006年から二年間ということだから、来年には完璧な姿を見ることができるだろう・・・。
いちおう、かなりデフォルメされているが、アルハンブラ宮殿敷地内の寄木細工の店で購入したライオンの噴水の模型を載せる(右)。 このように噴水を12頭のライオンが背負って立っている・・・はずだった。
ところが、このライオン、私にはおよそ猫にしか見えなかった・・・。
左が修復中の12頭のうちの1頭。別の場所(カルロス五世宮殿)に、このように展示されている。
ところで、このライオンの中庭は王のハーレム。 昔トルコで見たハマム(蒸し風呂)の部屋や二姉妹の間といって、妃たちが閉じ込められていた部屋がなまなましい。
イスラム教では4人の正妻が娶れ、王によっては後宮が何人もいたらしいが、実際にはハーレムといっても現代人の私たちが想像するような華やかなものではないそうだ。 本当に王様の子供であるということの証のために、ことは人がみている前で行わなければならず、女性は他の男性と間違いがあってはならないために外には出られず、格子窓から外を眺めるという生活・・・・想像しただけでもたまらない!
また、王という権力には血なまぐさい史実はつき物。 ライオンの中庭に通じるアベンセラーヘ家の間。 ある王に忠実で勇敢で優秀だったアベンセラーヘ家の騎士たちが、敵対する王にここで切られて殺されてしまう。 その亡霊が出るとか出ないとか・・・夜に足音のような話し声のようなものがするらしいが、地下を通る水路の水の音という事実も??
アベンセラーヘ家の間と二姉妹の間の天井は、モカラベ装飾という複雑な模様が施されていて、圧巻。
今回はかなり長くなってしまったが、アルハンブラ宮殿は見所満載でここでは語りつくせない。
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