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会社の移転

うっかりしていたら、前回の日記から三週間が経っていた。 それは精神的になかなかヘビーな日々であった。

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今月始め、会社が移転した。 テナントビルのオーナーが不動産投資会社にビルを売ってしまったので、出て行かざるを得なくなったのだった。 

ところで、私の会社はたった6人の小さな貿易会社だ。 私の仕事は貿易営業”兼”営業事務”兼”総務”兼”経理である。 つまりなんでも屋である。 他は営業担当が二人(男)、事務担当が二人(女)でそれぞれの仕事があり、社長はあまり頼りに出来ないので、当たり前のように引越しは私がほとんど一人で取り仕切ることとなった。

まずは、移転に必要な準備事項をリストにし、連絡をしなくてはならない企業や人のリストを作成した。 例えば、引越し業者の選定や、取引銀行、ガス・水道・電気会社への連絡、貿易業務に関わる特殊な届出の変更など。

およそ三週間をかけて、通常業務の合間に一つ一つをこなしていったのだった。 ただ、私一人で何をするべきか考えているため、「何か大事なことが欠けていたらどうしよう・・・」と常に不安だった。 

そして、その予感は的中する。

引っ越して、インターネットが全く使えない状態だということが判明したのだった。

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実は、私はパソコン関係、インターネット関係も担当なのだ。 もともと文系なので苦手な分野なのだが、なぜか会社の中では私が一番詳しかったので、自然と担当になったまでである。 でも、それが災いした。

ちなみに会社のネット環境は光ではなく、ADSLである。 電話はNTT東日本とNTTコミュニケーションズを利用している。 

今回初めて把握したことがある。

1) NTT東日本とNTTコミュニケーションズはマルっきりの別会社で、というよりライバル会社で、どうやら私はADSLの契約はNTTコミュニケーションズと結んでいた。 (東日本のものは”フレッツ”という名前が付くそうだ)

2) ADSLは、既存の電話線を使用するタイプと、ADSL線を単独で引く場合の二つがあるらしい。  どうやらうちの会社は、ADSL線を単独で引いていた。

そんな感じで、すべてを正確に把握していなかったために悲劇が起こった。

NTT東日本に「移転します」という連絡をすると、電話の移転工事の話と請求書の送付先の変更がツーカーであった。 つまり、一本の電話を入れれば、一回で事足りたのである。

当然、NTTコミュニケーションズもそうだと信じ込んでいた。 

引越しの二週間前に、NTTコミュニケーションズに電話をして「移転します」と伝えると、「今は変更できませんので、移転の1日前に再度電話してください。」といわれた。 私は一瞬「え?そんな簡単なの??」と思ったのだが、そう言われたらそうするしかない。 そして素直に一日前に電話をした。

後で考えれば、どうやら私が電話した先は『請求書の送付先の変更のみ』担当の場所だったようだ。 ADSLの工事の依頼は、また別のところに電話するべきだったようなのだ。

でも、そんなことわかるかー!!!というのが本音である。

普通だったら、専門家である向こうが「移転に際して、○○の作業はされましたか?」と何も知らない一般市民に親切に聞いてくれるのが、企業のサービスというものではないのだろうか?

こちらの契約番号を伝えた時点で、うちの会社がADSLをNTTコミュニケーションズと契約していることも把握しているはずと思い込んでいた。 しかし、実際は国内電話、国際電話、ADSLはすべて別の契約になっていたのだった・・・・そんなこと、わかるかよっ。

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インターネット環境が整っていないと知って慌ててNTTコミュニケーションズに電話すると、「工事完了には一週間から10日掛かります」といわれてしまった。 「こういう事情なので急いでください」という願いは聞き入れられず・・・。

今の時代、仕事はメールが中心だ。 10年前ならまだファックスに頼っていた節があったが、今の時代メールがなくては仕事にならない。 泣く泣く食い下がったら、「ダイヤルアップ接続という方法がある」と教えてくれた。 ただし3本の電話のうち、2本はISDNなので使用できないとのこと。 社長の個人用電話のアナログ回線が私を救ってくれたのだった。

うーん、懐かしいダイヤルアップ接続。

ピー、ヒョロヒョロヒョロヒョロ・・・ピー、などと音をさせながら接続までに時間を要し、インターネットもページが変わるまでに妙に時間が掛かったものだ。

しかし背に腹は変えられない。 四苦八苦しながら6人分のパソコンにダイヤルアップの設定をし、大手電気量販店で長い電話線を買ってきた。 

ところが、比較的新しいパソコン(Vista)には電話線を入れる穴(モジュラージャック)がないではないか!! 詳しく書くと長くなるので割愛するが、これも大手電気量販店の店員の言っていることが文系の私にはちんぷんかんぷんで、モジュラージャックを購入してパソコンに組み込むまで、歩いて20分は掛かる電気屋と会社を二往復もすることになった。

本当に泣きそうだった。精神的にも肉体的にも辛かった。

移転後二日目の午後に、何とか6人分のパソコンがネットにつなげることになった。 一本の電話線を使い、6人が変わりばんこにネットに接続。 そんな肩身の狭い日が7日続き、夏休みに突入。

そして夏休み明けの今日、無事にADSLが、LANが、つながったのだった。

常時接続のありがたさを実感。 ただ、一本の電話回線をみんなで使いまわすのは、ちょびっと楽しかった(といったらバチ当たりか)。 「先に使っていいですか?」「私は今、別の仕事をしているから先にどうぞ」という譲り合いがなんとも、気持ちよかったからだ。

私が原因で起こった悲劇だったが、幸いみんな優しいことと、私が全部一人で引越し業務を取り仕切った苦労を理解してくれたことで、誰一人私を責める人はいなかった。 

ま、責められても逆ギレしてたかもね。

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