硫黄島からの手紙
日本人として、監督であるクリント・イーストウッドに敬意を表したいと思う。(えらそうなことを言ってすみません)
観る前に「よくアメリカ人で、あそこまで日本人を描けたものだ」という評判を聞いていたが、本当にその通りだと驚いた。
「生きて本土の土を踏まない。お国のために死ぬ」という覚悟や「敵に捕まることは恥、自決する」という精神は日本独特のものであり、アメリカ人であるクリント・イーストウッドはそれを理解するためにたくさんの文献を読んだそうだ。
そして、映画で渡辺謙さんが演じた”栗林中将”という人柄に惚れ、感銘し、彼についてもとことん研究した。
”5日で陥落する”と言われていた硫黄島の日本兵が、36日間も闘い続けられたのは、栗林中将の的確な戦略が功を奏したからだった。 日本軍のそれまでの闘い方をしていたら、本当に5日で終わっていたかもしれない。
しかしながら栗林中将は決して冷徹な人間ではなく、硫黄島で発見された家族へあてた手紙から、彼の家族思いでユーモアにあふれる素晴らしい人柄があふれ出ていたそうだ。
硫黄島での戦争のさなか、「送ることがかなわない」ということを知りながら書き続けられた家族への手紙。
今でも、思い返すと涙が出てきそうである。
そして、渡辺謙さんの素晴らしい演技や存在感の次に光っていたのは、二宮くんだった。彼の演技を見たのは初めてだったけれど、クリント・イーストウッドが賞賛したという彼の演技は素人目にも素晴らしかった。
この映画は、絶対に観るべきだと思う。そして、戦争はしてはいけないという思いをこの映画を観ることによって強くして欲しい。
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コメント
何かと誤解されがちな日本の風習ですが現在の日本では当時の侍魂はあるのか?と時々思います。
投稿: GIFT | 2007年2月15日 (木) 23時13分
外国の方には、日本人のあの精神は理解しずらいでしょうね・・・。確かに、外国がほめてくれる日本人の美徳というものは現在失われつつ、というより失われた感があります。侍魂はその最たるものの一つかもしれません。
投稿: 香 | 2007年2月16日 (金) 00時00分