父親たちの星条旗
先日、今更ながら『父親たちの星条旗』を観た。
興味を持ったきっかけは、もう何ヶ月も前にNHKで放送された番組だった。
硫黄島で行われた日米戦争についてのドキュメンタリー番組。あの戦争の悲惨さをアメリカ軍の撮った映像や写真とともに伝え(戦争というものはどれも悲惨ではあるが)、生き残りの兵士達があの時の様子を語るものだった。 私の稚拙な言葉ではここにうまく説明できないが、信じられないような残酷な物語を実際に体験した人が語る重みを感じたのだった。”感動した”とか”涙が出た”とか、簡単な言葉では語れないようなものが。
だからクリント・イーストウッドが作った『父親たちの星条旗』と『硫黄島からの手紙』という映画が公開されると聞いて、観てみたいと思った。
別々に住む妹もまた、偶然にも同じドキュメンタリーを観ていて、私と同じく映画を観たいと思ったそうだ。 双方の都合がつかず、もうレイト・ショーでしかやっていないこんな時期になってやっと観にいったのだ。
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私は戦争映画は嫌いだ。目を背けたくなるような残酷なシーンが多いからだ。
ところが、この映画は残酷なシーンはあるものの、クリント・イーストウッドが描きたかったのはそこではないことが観ていてわかった。 ”敵国・日本の酷さ”とか”日本人を憎んで殺すアメリカ人”という観点では描かれておらず、あの有名な一枚の写真の裏に隠された、アメリカのむごい真実が描かれていた。
彫刻にもなった、アメリカ国旗を今まさに掲げようとしている6人の兵士たちの写真は、アメリカ政府が戦争を続けるための資金の調達に、うまく利用されたのだった。
その写真に写っていた6人の兵士達のうち生き残った3人もまた、アメリカ政府に作り上げられた”英雄”となり、利用されたのだ。しかも使い捨てだ。
なんだか今のアメリカも、あの頃と少しも変わっていないじゃないか。と思う。
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映画館に足を運ぶまでもないが(というより、すでに上映されていないと思うが)、機会があったら観てもいい映画だと思う。
ちなみに、『硫黄島からの手紙』は今日観にいく。
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コメント
んばんは♪
お久しぶりです^^
「いつも心に太陽を!!」の
ひなぷーです^^
私も戦争映画ってきらいです・・・
いろんな立場ってあるし
視点が偏ってるものは特に苦手です
突然ですが・・・
「いつも・・・」のブログやめました。
(怪しいメールやトラバが防げなくって・・・・)
いきなりですが
気分一新で新しいブログ始めました^^
ぜひぜひ見にいらしてくださいね♪
「デキル男?!プー吉君♪」
http://hinapooh.cocolog-nifty.com/dekiruotoko_pukichi/
がんばっている皆さんの心の癒しになれたらいいです
ではでは^^
投稿: ひなぷー | 2007年2月12日 (月) 00時25分
戦争映画は、というより戦争は”勝てば正義”ですもんね。この映画は”反戦”ものですので、機会があったら観てみてください。
ブログ、やめちゃったんですねー。たまに覗きに行ってたのですが・・・更新がないので心配してました。でもブログを続けるということで安心しましたよ。今度、新ブログお邪魔します!
投稿: 香 | 2007年2月15日 (木) 00時22分