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地下鉄(メトロ)に乗って

私が初めて浅田次郎氏の作品に出会ったのは『地下鉄(メトロ)に乗って』であった。

三年ほど前じゃないかと思う。

図書館で「世間で騒がれている浅田次郎の作品でも読んでみるか」と思って、本棚に並ぶ数冊の中からなにげに取った一冊だった。 

読み進んでいくうちに、「この人の作品はこんなに面白かったのか!」とびっくりしたと同時に感動した。

それから、浅田次郎の作品を読み漁っているが、私の中では今でもこの『地下鉄に乗って』が一番なのである。 直木賞を獲得した『鉄道員(ぽっぽや)』よりも、直木賞候補に挙がった『蒼穹の昴』よりも・・・。 

なにぶん、読むのがものすごーく遅いのと、他の本などを読んだりしている関係もあって、未だにすべてを読破出来てはいないのだが・・・。

この人のすごいところは、時代小説も、ヒューマンコメディータッチの作品も、極道小説も何でも書けてしまうところだ。

実は、私が「ブログを書きたーい!」と思ったきっかけは、彼のエッセイ『勇気凛々 ルリの色』を読んだことがきっかけだった。 自分のことをこんなに面白おかしく書けるなんて・・・・! もともとおしゃべりな私は、自分でも書いてみたくなったのだ。まあ、文章は雲泥の差があることは承知であるが。 これも面白いから、ぜひ読んで欲しい!

ちなみに今、『シェエラザード』を読んでいる。これも、ものすごく面白い。(いや、”面白い”しか言ってなくてすまんが)

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さて、本題の『地下鉄に乗って』に戻る。私の稚拙な感想で申し訳ないが・・・

一言で言ってしまえば『とても切ない、切なすぎる』物語。 昭和初期にタイムスリップというとっぴな展開にも、なぜかすっと入っていける。 一人ひとりの人格がきちんと描かれていて、それらが複雑に交錯していき、悲しい結末へと向かっていく。 歌でも何でも『切ない』物が好きな私はすっかりはまってしまった。

『地下鉄に乗って』のその切なさを考えると、お腹のそこから「うおー!」と泣き叫びたい気分になるのは私だけだろうか。

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いま、ちょうど映画が封切られたばかりである。

だからこそ、今この作品に触れたのであるが・・・・(便乗?)

私の頭の中の、この作品のイメージが壊れてしまうかもしれない恐怖(?)や心配もあるが、キャスト的には悪くないと思うので、観に行ってみたい気がする。

新宿の闇市を、ほとんどビルがなかった昭和初期の銀座を、にぎやかな商店街を、それらを知らない私は”映像として”みておきたい気もするからである。

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